Thursday, September 13, 2012

Keiko Forestのビジョン 1  ビジョンクエスト



Keiko:わたしが海外に暮らし始めた最初の理由は、92年にビジョンクエストという儀式をした事だった。
当時、ネイティブアメリカンのローリングサンダーというメディスンマンの本に、
ビジョンクエストという言葉があったの。
たった一行だったけど、ガツンとわたしの中に入って来た。

なぜ入って来たかというと、当時もう20代、成人をとっくに過ぎていたのに、
わたしには成人として認められるような、自分が何のために生まれて来たかという
ビジョンが何もないことに気づいた。

ネイティブアメリカンは14歳くらいになると、毛布を一枚持って、森の中に入って行く。 自分の場所を見つけて、自分は何のために生まれて来たのかを、何も食べずにお祈りして、
自然の中に耳を澄まして、自分の心に耳を澄ます。
何のために生まれて来たかを知った時に、初めて成人として認められて、それを暮らしている村に持ち帰って、そのビジョンを生きる事で、初めて村の中で役に立つ。
人として一人前の人間として認められる。
そういう儀式があることに気づいた。

わたしはもう20代後半だったけど、わたしのビジョンってなんだろうと思ったの。
そんなことは生まれてから一度も考えた事がなかった。
でも当時、英語もしゃべれないし、ネイティブアメリカンに知り合いがいるわけでもなくて、どうしようと思っていた。

偶然にも丁度、ネイティブアメリカンのメディスンマンの本が日本で出て、その翻訳をした人が、みんなでネイティブアメリカンの彼の所を訪ねて、ビジョンクエストをするというお話があって、友達が誘ってくれた。

「これだ」と思った。
それがすごいタイミングで来たから、もうこれだと思った。 当時日本で弁護士の秘書をしていたんだけど、3週間のお休みをいただいて、そのビジョンクエストに行った。

ワシントン州スポケインの森の中に行って、そこでブランケット一枚とお水のボトルだけを持って、他は何も持たずに四日間。
自分の見つけた場所の中で過ごして来た。

その時に見たビジョンがあって、そのビジョンをビジョンクエストが終わった後に持って
帰って、メディスンマンとトライブの人たちにシェアすると、みんなが泣き出した。
「何が起こったのかな?」と思っていたら、わたしが見たビジョンが、サンベアという
そのメディスンマンの見たビジョンの続きだった。

最初に彼に会ったときからわたしの心の中で「おとうさん、おとうさん」という気持ちが
ずっと湧いていたの。
なんだろうこれは…と思っていた。 初めて会った人だったしね。
初めて会ったアメリカインディアンで、それまでは見た事もない存在だったのに
「おとうさん」って感じていた。
そしたら「一番下の娘が帰って来た」って言われてね。
わたしはサンベアのビジョンの、続きのビジョンを見ちゃったのね。






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